Special

Special

草笛光子さんからのメッセージ

『ピピン』が日本で初めて上演されたのは1976年の帝国劇場でした。ボブ・フォッシーの演出版はベトナム戦争直後という当時の時代背景を反映していて、脚本を読んだ時には、とても難解な内容だと感じました。作品のことをもっと深く知るために、急いでNYへ飛び立ち、2日間劇場に通い詰めました。私の演じたファストラーダは悪女の役ですが、その刺激的な振付を少しでも吸収してから帰国したいと、ステップやリフトのタイミングなど、暗がりのなかで一生懸命メモを取ったことを覚えています。
衣装で使用した仮面があるのですが、細かい細工が施してあり、とても美しかったので、公演終わりに頂いて、今でも大切にしているんですよ。
今回の公演は新演出版ということで、首席俳優(リーディングプレイヤー)を女性が演じていたり、舞台をサーカスに置き換えていると伺いました。架空の空間に置き換えるという試みはとても面白く、意味のあるアイデアなのではないでしょうか。どのように変化しているのか、とても興味深いです。

@Fuji Television Network, Inc. All rights reserved